2016年06月19日

Android 『シノビナイトメア』 Fuji&gumi Games今泉氏×アルファ・システムが明かす開発秘話

『シノビナイトメア』開発構想秘話を今泉氏とアルファ・システムが激白

gumi及び、Fuji&gumi Gamesのダンジョン探索型“大河”RPG『シノビナイトメア』。
『ファントム オブ キル』や『誰が為のアルケミスト』など、ゲームファンに刺さる作品を手掛けるFuji&gumi Gamesと、『俺の屍を越えてゆけ』などの名作を世に送り出すアルファ・システムのタッグで手掛ける本作。
人気声優陣の起用や、メインテーマを手掛ける久石譲氏を始めとする豪華スタッフを起用していることでも話題となり、現在実施中の事前登録は50万を突破している。
シノビナイトメア
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ガッツリ作り込まれた“大河”RPGに大塚角満も”忍びたくても、忍べない”
期待感が膨らむ中で配信が目前に迫っている『シノビナイトメア』。そこで今回、『シノビナイトメア』のキーマンであるFuji&gumi Gamesの今泉潤エグゼクティブプロデューサー、そして開発に携わったアルファ・システムの佐々木哲哉代表取締役社長、櫻井剛氏へのインタビューを実施。
構想から開発までの過程や、本作に込められた思いやこだわりについて話を聞いた。
シノビナイトメア_今泉氏
▲Fuji&gumi Games エグゼクティブプロデューサーの今泉潤氏。これまで『ファントム オブ キル』や『誰ガ為のアルケミスト』といったヒットアプリを生み出している。
シノビナイトメア_アルファ・システム
"和風ファンタジー"と"コアなゲーム"の名のもとに導かれた両社
――『シノビナイトメア』の開発コンセプトは、どのようなものだったのでしょう?
今泉潤氏(以下、今泉) 企画立ち上げ当時、市場にはファンタジー世界を舞台としたスマホRPGがたくさん出ていました。その中でふつうにファンタジー世界を作ったところで、どうしてもほかの作品に近しくなってしまう。僕はそれが嫌で。他社さんが作るファンタジー世界に寄せても仕方がないという考えでした。
――そこから、どうやって『シノビナイトメア』の世界観にたどり着いたのでしょう?
今泉 当時、『刀語』というアニメを見ていたんですよ。それで"和風ファンタジー"のゲームを作りたいと思って(笑)。それと、その当時のスマホRPGは、バトルだけのゲームが多かった。だからバトル以外にも、マップ移動やダンジョン探索もできる、本格的なRPGを作りたいと考えていたところに、『俺の屍を越えてゆけ』を手掛けたアルファ・システムさんを紹介してもらって。そこがすべての始まりでしたね。
シノビナイトメア_マイページ
――では、どういった経緯でアルファ・システムさんと出会ったのでしょう?
今泉 2~3年くらい前、スマホゲームの市場がWebベースからネイティブアプリへと変遷していったタイミングがありましたよね? でも、我々はもともとWebベースのアプリ開発をしていたので、その当時ネイティブの技術環境、人材環境が整っていなかった。しかし、「これからは、ちゃんとしたゲームが主流になる」、「とにかく作らないと」と思い、ゲーム会社と組まないとダメだと感じました。ただ、東京のデベロッパーは、すでに大手からスマホゲームの開発依頼を受けていて開発ラインが空いていなかった。そんなときに、知人からアルファ・システムさんを紹介していただきました。
佐々木哲哉氏(以下、佐々木)  もう2~3年くらいのお付き合いになりますよね。
今泉 そうですね。僕たちは『ファンキル』や『誰ガ為のアルケミスト』と、コアな遊びを提供するのが得意というか、好きなんですよ。アルファ・システムさんも『俺の屍を超えてゆけ』というコアな作品を作っていらしたじゃないですか? それでちょうどフィーリングが合って、いい関係性を作らせていただいています。
――アルファ・システムさんは、『シノビナイトメア』の企画の話を聞いたとき、どのような印象を受けました?
櫻井剛氏(以下、櫻井) 最初にお話をいただいたときは、まだ「しっかりとした和風ファンタジーをやりたい」という方向性しか伺っていなくて。でも、家庭用ゲーム並のクオリティーでいきたいというコンセプトがハッキリしていましたので、ブレがないと感じましたし、ぜひいっしょにやりたいと思いました。
――逆に今泉さんは、アルファ・システムさんと会ってみてどんな印象を受けました?
今泉 すごくおもしろい会社さんですね。アルファ・システムさんの主要メンバーは、皆さん本当に若いころから佐々木さんといっしょにゲームを作っていて。それこそ櫻井さんは18歳からずっと佐々木さんといっしょですもんね?
佐々木 そうですね(笑)。
今泉 だからなのか、おじさんたちなのに部活みたいな雰囲気があって(笑)。あと、変化が激しいゲーム業界で28年続けていける開発力やチームワークに凄みを感じましたね。
クノイチと古のサムライに関する設定
――和風ファンタジーということで、主人公がクノイチとなってますが、クノイチを主人公にした理由は?
今泉 じつはそこについてはかなり揉めまして。なんていうか……アルファ・システムさんに、美少女キャラクターが大好きで、非常にこだわりの強い方がいらっしゃるんですよ(笑)。昔僕が作った『青春姫 SCHOOL PRINCESS』というゲームのヘビーユーザーというか、トップランカーの方でもあるんですけど。
櫻井 驚くことに、本当に偶然いたんです(笑)。
今泉 その方を中心に、主人公は女の子たちだけでいいのか? どういう女の子がカワイイのか? と、激しく議論しました(笑)。
シノビナイトメア_サクラシノビナイトメア_ユリ
シノビナイトメア_キキョウシノビナイトメア_ヒイラギ
でもすごいのが、たとえば女の子のモデルを作ってくださいというと、ちょっとしたモーションを追加してかわいくしてくれたり。このゲーム、操作しないで放置していると女の子が振り向いてくれるようになっているんですけど、その辺もどう見せれば女の子たちがかわいくなるかというのを、ものすごく考えてくれて。
シノビナイトメア_クエスト
――ということは、アルファ・システムさんからの提案で追加した演出はけっこうある?
櫻井 提案という形ではなかったと思います。ただ、アーティストたちが、僕の知らないところで勝手に入れている要素は多々あるようです(笑)。
――そのかわいいクノイチがサムライを召喚して戦いますが、そういう設定にした意図は?
今泉 まず前提として、『シノビナイトメア』にはノブナガやムサシなど、皆さんのなじみ深い名前のサムライが出てきますが、彼らは織田信長、宮本武蔵ではありません。
――あくまでノブナガという名前のサムライだと?
今泉 そうです。僕のイメージの中でサムライは、『シノビナイトメア』の世界で遠い昔に存在していたキャラクターなんですよ。なので、資料はほとんどなくなっていて「かつてノブナガという人がいたらしい」くらいの存在になりますよね? そういった口伝や資料のカケラから、ノブナガという存在を創作して召喚するといったイメージなんです。そうしないと、おもしろくないと思って。
シノビナイトメア_ノブナガ_必殺技
皆さんの中で"信長=こういう人というイメージ"ってありますよね? それこそ表情や性格など何から何までしっかりとしたイメージが。そういう重たいイメージを崩して、みんなが入りやすいキャラクターを作りたかった。“侍”ではなく“サムライ”とカタカナにしているのも、そのためです。
――存在としてのノブナガは分かりましたが、キャラクターデザインはどうなのでしょう? みんなの頭の中にある織田信長像を落とし込んでいったのでしょうか?
今泉 はい。まず我々でキャラクターの企画を出して、それを2Dイラストに起こす。それをアルファ・システムさんに3Dにしてもらうという流れでデザインしました。
シノビナイトメア_サムライ
――『シノビナイトメア』のサムライたちは個性的で、今風というか、近未来的な姿をしていますね。
今泉 そうですね。ゲーム内に出てくるアラート画面などは、本当にSFチックで未来感がありますよ。そういう違和感をちょっとずつ足していくことで、世界観を演出しようと意識しています。
――ちなみに世界の偉人をモチーフにしたキャラクターなどは出てこないんですか?
今泉 いまのところは出てきませんね。
佐々木 でも、ペリー出てきますよね?
櫻井 あと、ザビエルもいますよ(笑)。
今泉 あぁ、そうだった(笑)。
ストーリーとアニメ演出へのこだわり
――クノイチたちが戦う"物の怪"はどのような存在なのでしょう?
今泉 世の中の害悪や天災が姿を持ったような存在で、原則的にクノイチにしか見えないという設定です。
――ということは、世界が存在し続ける限り物の怪も存在するというようなものですよね?
今泉 そうです。で、その"物の怪"を淘汰することがクノイチの使命という設定です。そして、クノイチはこの世界では偶像的な存在なので、それゆえに課せられた“死”が絡むような強い制約もあります。
シノビナイトメア_バトル
――え? 死んでしまうんですか?
今泉 ガチャを採用したRPGは、キャラクターに死の概念がないじゃないですか? お金を払ったカードが二度と使えないことになりますから。この"死なない"という要素と、もうひとつコンプガチャ問題に繋がる連携スキルが使えないという要素が、RPGでドラマを描けなくする大きな要因だと思うんですよ。だからこそ、敢えて僕は作中で“死の概念”を取り入れました。
――ちなみにストーリー展開について、シナリオはもうエンディングまでの構想が立っているのでしょうか?
今泉 もちろんです。スマホゲームは、"当たるも八卦当たらぬも八卦"というところがあるので、描けるうちに描ききるというのがすごく大事だと思っています。なので、なるべく描ききって終われるようにしていきたいですね。そして、つぎのシナリオを見たいと思ってもらえるように、3Dモデルを使ったストーリーパートを作ったり、アニメっぽいギミックを入れたりしていますので、きっとストーリーも楽しんでいただけると思います。
シノビナイトメア_フルボイス3Dデモシーン
――アニメっぽいギミック? いったいどのような?
今泉 各ストーリーのオープニングにキャラクターソングが入ったり、ストーリーの最後に次回予告が入るんです。『シノビナイトメア』では、主人公格のキャラクター全員にキャラソンを用意しているんですけど、各章のオープニングでは毎回それを使ったオープニングムービーが流れる。そして、ラストには次回への予告が入るようになっています。
――なるほど、それはテレビアニメっぽいですね。
今泉 次回予告は、背景には予告とは関係のない4コママンガのようなものが流れ、話も最初は予告とは関係のないところから始まり、うまく予告へ繋げるという形になっています。それから、ストーリーの中で、3Dのアニメーションパートもあります。個人的なお気に入りは、雑巾がけをするアニメシーン(笑)。
――雑巾がけを描いたゲームって、かつてないですね(笑)。
今泉 僕も始めてです(笑)。そういったフルボイスの3Dアニメシーンがあるので、皆さんにもしっかり楽しんでもらいたいですね。
メインテーマを手掛けるのは巨匠・久石譲氏
――そういえば、メインテーマを久石譲さんが作っていると聞いてかなり驚きました。
今泉 メインテーマをどうするか話しているときに、音楽の担当から「どんな感じの曲にしたいですか?」と聞かれたので「久石さんの『さくらが咲いたよ』っていう曲が大好きだ」という話をして、「久石さんに曲を作ってもらいたい」と言ったら、社員のみんなが「無理だ」と(笑)。
――まぁ、当然の反応ですよね(笑)。
今泉 それであらゆる伝手を伝って、久石さんとコンタクトを取っていただいて、お会いしたんです。先方のスタッフの方から「久石さんにどのような曲を作ってもらいたいか、熱意を伝える場です」と振られて、超緊張しました(笑)。
――それは緊張しないほうがおかしい(笑)。
今泉 で、どこから話したらいいかも分からなかったので「スマホゲームってご存知ですか?」から始まり、ゲームの企画書を見せてモバイルゲーム市場の話や企画の意図やポップな雰囲気はありつつも、ちゃんと軸のある和風にしたいというお話をさせていただいて。「これを、久石さんの曲ですべて完結するくらいのものにしたいと思っているんです」と話したら、久石さんが企画書をバーッと読んで「狙いがいいね」と仰ってくださって。そこからはもう早かったです。「こういう楽器を使うといいよね」とか「ここはこうするべきだ」とか、アドバイスを交えて話を承諾していただきました。
▼音楽も豪華な『シノビナイトメア』をPVでチェック
――今泉さんから、久石さんが曲を担当すると決まったと聞かされたときは、どんな感じでした?
櫻井 「これはやばいぞ、絶対大変なことになるぞ」と、プレッシャーでしたよ(笑)。
佐々木 でも、久石さんは昔『天外魔境II』の曲を作ってらっしゃいましたよね。
今泉 そうなんですよね。こうして、久石さん、アルファ・システムさん、オープニング映像には『刀語』の監督を努めた元永慶太郎さんと、和風ものを作るスペシャリストが揃って『シノビナイトメア』になりました。だから、ユーザーの皆さんにも、しっかり「有名な人を集めただけじゃないぞ」というものが伝わるのではないかと思っています。
――では最後に、ユーザーさんにコメントをお願いします。
櫻井 2年間頑張って作ってきましたし、これからもがんばって追加開発していきますので、よろしくお願いします!
佐々木 作業が最後の最後に差し掛かった段階で熊本に大地震が来て、いまも大変な状態ではありますが、がんばって作ってきました。みなさんぜひ遊んでいただければと。
今泉 アニメみたいなモバイルゲームを強く意識しているので、ゲームの部分はもちろん、その他の部分も見ごたえのあるものになっています。個人的には、これまで作ってきたモバイルゲームの集大成的な作品なので、ヒットしてくれればというのが本音です。ぜひ、多くのユーザーのみなさまに楽しんでいただければ幸いです。
【『シノビナイトメア』事前登録】
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Posted by kawabata at 14:28Comments(0)
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